Jedit Pro は内蔵の MCP (Model Context Protocol) サーバー を介して、AI クライアントから「現在開いている文書」を読み書きできます。このページでは Claude Desktop からの利用方法を案内します。
MCP は Anthropic が策定したオープン仕様ですが、2026 年 5 月時点で、ローカル MCP サーバーを実用レベルで扱える GUI クライアントは Claude Desktop と Claude Code がほぼ唯一の選択肢 です。Cursor / Zed / Gemini CLI なども MCP に対応してはいるものの、設定方法や安定度はクライアントごとに差があり、また ChatGPT / Gemini の Web 版は「localhost に届かない」「HTTPS と OAuth が必須」といった制約で現状ローカル MCP には接続できません。
したがって本ガイドは Claude Desktop を前提に書かれています。他クライアントの対応状況は順次変わるため、ここでは追いません。
1. できること
- 開いている文書を Claude に読ませる
- Claude に文書の編集を任せる (置換 / 追記 / 新規作成)
- 文書内検索を Claude 経由で実行 (Find Bar も自動で開く)
- 複数の文書を横断して作業させる
実装されている操作は公開ツール一覧を参照。
2. 必要なもの
- macOS 15.6 以降
- Jedit Pro 1.0 以降
- Claude Desktop
- Claude アカウント (Free / Pro / Max など)
Node.js / npx 等の追加依存は 不要 です (Jedit Pro が専用ブリッジを内蔵しています)。
3. セットアップ
3-1. Jedit Pro 側で MCP サーバーを有効化
- Jedit Pro を起動
- メニュー
Jedit Pro → 設定…(またはCmd+,) - ツールバーから 「AI / MCP」 ペインを選択
- 「MCP サーバーを有効にする」 にチェック
- ステータスが緑色の 「127.0.0.1:NNNNN で動作中」 になったことを確認
NNNNNは自動割り当てされたポート番号- ポートを固定したい場合は「ポート」欄に好きな番号 (例:
49200) を入力し、一度 OFF → ON で再起動
3-2. Claude Desktop に登録
- 同じ「AI / MCP」ペインで 「Claude Desktop にインストール…」 ボタンを押す
- 保存ダイアログが開く (毎回開きます。場所を毎回確認できるようにするためです):
- 保存先が
~/Library/Application Support/Claude/になっていることを確認 - ファイル名は
claude_desktop_config.jsonのまま - 「インストール」 ボタンを押す
- 保存先が
- 既に
claude_desktop_config.jsonが存在する場合は macOS 標準の 「同じ名前のファイルが既に存在します。置き換えますか?」 ダイアログが出ます。 「置き換える」 を押してください。「置き換える」と表示されますが、ファイルの中身が消えるわけではありません。 Jedit Pro は既存ファイルを読み込んでから Jedit-Pro エントリだけを追加 / 更新して書き戻します。 Claude Desktop 自身や他の MCP サーバー (Filesystem, GitHub など) の設定はそのまま残ります。
macOS の保存ダイアログが「置き換える」と表示するのは仕様で、内容のマージは Jedit Pro 側で行っています。心配な方は事前に
claude_desktop_config.jsonをバックアップしてから操作してください。 - 「Claude Desktop にインストールしました」のメッセージが出れば成功
- Claude Desktop を完全終了 (
Cmd+Q) し、起動し直す
ポートやトークンが変わった時も同じボタンを押せば、最新値で自動更新されます (前回のフォルダが初期表示されます)。
3-3. 動作確認
Jedit Pro で何か文書を開いた状態で Claude Desktop の新しいチャットを開き、こう話しかけてみてください:
「Jedit で今開いている文書のタイトルを教えて」
Claude が list_open_documents ツールを呼び、結果を返してくれば接続成功です。初回は「Jedit-Pro のツールを使ってもいいですか?」という確認ダイアログが Claude Desktop に出るので、許可してください。
「Jedit-Pro」というラベルが Claude Desktop のウィンドウに見当たらない場合でも、上のテストが通っていれば接続は成立しています。 Claude Desktop の UI は更新が頻繁で、利用可能な MCP サーバー名を入力欄付近に表示するかどうかはバージョンによって変わります (macOS Tahoe + 最近の Claude Desktop ではラベル表示が消えていることがあります)。動作確認は「Claude がツールを呼べているか」で判断するのが確実です。
4. 使い方の例
接続後、Claude に自然な日本語で依頼するだけです。Claude が必要に応じて自動的にツールを呼びます。
| やりたいこと | Claude への依頼例 |
|---|---|
| 文書全体を読ませる | 「今アクティブな文書を全部読んで、要約して」 |
| 全文を編集させる | 「この原稿を丁寧語で書き直して。タブで開いている版に直接反映して」 |
| 部分置換 | 「文書中の "TODO" を全部 "完了" に置換」 |
| 検索 | 「main 関数を探して」(Find Bar が自動で開き、ハイライト表示) |
| 新規文書 | 「議事録を整形した版を新しいタブに作って」 |
| 複数文書を横断 | 「開いている全ファイルを読んで、重複している段落を洗い出して」 |
| 翻訳の文脈保持 | 「タブ 1 の英文を、タブ 2 の用語に合わせて翻訳して」 |
「○○を探して」の例
find_in_document ツールは、検索結果を JSON で返すだけでなく、Jedit Pro 側の Find Bar も自動で開いて全マッチをハイライト します。Jedit Pro が前面に出てくるので、Claude のチャット画面と Jedit Pro の両方で結果が確認できます。
サイレント検索 (UI を触らない) にしたい場合は、Claude に「Find Bar は開かないで検索だけして」と頼めば、ツールに showInFindBar: false を付けてくれます。
5. 公開ツール一覧
| ツール名 | 機能 |
|---|---|
list_open_documents | 開いている全文書の id / タイトル / ファイル URL / 文字数 |
get_active_document | 最前面の文書の全文と選択範囲 |
get_document | id で指定した文書の全文と選択範囲 |
replace_range | 範囲を指定して置換 (Undo 対応) |
insert_at | 位置を指定して挿入 (Undo 対応) |
find_in_document | 正規表現/リテラル検索。Find Bar に結果表示 |
create_document | 新規 untitled 文書を作成、内容を流し込み |
6. プライバシーとセキュリティ
通信範囲
- MCP サーバーは 127.0.0.1 (loopback) のみ にバインドされます
- 他のマシン・他のネットワークからは到達不可能
- インターネット経由で文書が送られることはありません
認証
- Bearer トークン (24 バイト乱数) を要求
- 同じ Mac の他ユーザーアカウントからは見えません
- トークンは「再生成」ボタンでいつでもローテーション可能
Claude (Anthropic) との通信について
- Claude Desktop は チャットで送ったメッセージのみ を Anthropic のサーバーに送ります
- MCP ツールの呼び出し結果 (= 文書の中身) も Claude の応答生成のためにサーバーに送られます
- 機密文書を読ませたくない場合は、その文書を 閉じる か MCP を 無効化 してください
動作する範囲
- Jedit Pro が起動している間だけ MCP サーバーは動作します
- Jedit Pro を終了すると Claude からのアクセスは即座にできなくなります
7. トラブルシューティング
Claude Desktop のツール一覧に Jedit-Pro が出ない
claude_desktop_config.jsonの保存内容をjq . ~/Library/Application\ Support/Claude/claude_desktop_config.jsonで確認 (JSON 構文エラーが無いか)- Claude Desktop を 完全終了 (Cmd+Q、メニューバーから消えるまで) → 再起動
- 「AI / MCP」ペインのステータスが緑色 (動作中) であることを確認
「Jedit Pro is not running」エラー
- Jedit Pro 自体は起動していますか?
- 環境設定で MCP サーバーが有効になっていますか?
- ポートを変更した場合、「Claude Desktop にインストール」を再度押して設定を更新してください
ブラウザで http://127.0.0.1:NNNNN/ を開くと「Not Found」になる
- 仕様通りです。POST のみ受け付けるので GET には 404 (またはステータスページ) を返します
- サーバーが動いている証拠なので問題ありません
ポートが他のアプリと競合する
- 「ポート」欄に空き番号を指定 (49152〜65535 のダイナミックレンジ推奨)
- または
0(自動割り当て) に戻すと OS が空きを選ぶ
Console.app でログを見たい
/System/Applications/Utilities/Console.app を起動し、左サイドバーで自分の Mac を選択した状態で、ウィンドウ右上の 検索フィールドに次の述語を入力してください (ターミナル / bash に貼り付けるコマンドではありません):
subsystem:com.jedit.pro category:mcp
これで MCP サーバー側のログだけに絞り込めます。リアルタイムで流したい場合は、ツールバーの「開始」ボタンを押してから Claude Desktop で操作してください。